狸菩薩(相模原市中央区・田名)

田名から水郷田名団地〜高田橋に「狸菩薩」というポータルがあります(相模原市中央区水郷田名4丁目)。 県道からはごく近くまで行けるのですが、ハッキングできる距離にはありません。山側に少し入ったところにその祠はあります。

 

 

IMG_4180.JPG

IMG_4184.JPG

IMG_4181.JPG

この「火の坂」と「狸菩薩」についての言い伝えはこちらのお煎餅やさん「風林堂」のホームページに解説がありました。 田名の久所にある火の坂の下に祠があり、狸菩薩がまつられています。この火の坂は、以前は人気のない寂しい所で、坂の上のあばら家におばあさんが住んでいました。  秋も深まったある寒い晩、一匹の古狸がのそのそやってきて、びっくりするおばあさんを尻目に、どっかりと炉端に腰掛けて、居眠りをはじめました。狸は一人暮らしのおばあさんを甘く見たのか、寒くなると出てきては大股を開いて温もっていきます。あまりの狸の横柄な態度におばあさんも頭にきて、ある晩いつもよりよけいに火を起して待っていました。やってきた狸は、いい気持ちで居眠りをはじめました。おばあさんは隙をうかがい、十能にいっぱい火をすくって、狸のご自慢の股ぐらめがけて投げつけました。狸はびっくり仰天、火だるまになって外へ飛び出し、坂ノ下まで転げ落ちて、死んでしまいました。それからこの坂は火の坂と呼ばれるようになったわけですが、その後はよくないことが続くようになりました。大正時代になって、近所に住む人がこの坂で怪我をした際、怪我をした訳は狸の祟りだというお告げを聞いたため、狸菩薩として丁重に祀り、その後はご利益があるという評判がたち、参拝の人々で大変にぎわったそうです。 ※座間美都治「相模原民話伝説集」より 十能(じゅうのう)って炭火のスコップですよ結構ひどい。 地元の小学生に聞いたところ、この話には後日談があるそうです。 「よくないこと」と書かれているが、実際にはこのお婆さんの娘さんが病気になり、医者を呼んでも治らない。何かの霊がとりついているのかと思い探索したが、1回目には何も出ず2回目には狸の霊が出てこう言った。 「坂の下に碑を作って祀れば病気は直してやる」 このお婆さんはその通りにして碑を作った。病気も治った。さらに話を聞きつけた人々が大量に押しかけ、ご利益を求めて並んだので通行の邪魔になり、現在のような崖に穴を掘ってそこに納めたらしい。 IMG_4185.JPG

徒歩で行くなら是非、近隣のポータル候補となる史跡を巡られる事をオススメします。 博物館でもボランティアの民俗調査会が探訪会を実施しています。 探訪会に参加された方のレポート Kazのお散歩日記 民俗講座 旧相模原市域編2 火の坂はこの辺りでは典型的な段丘です。地質マニアにも面白いのかもしれないですね。 IMG_4178.JPG

3 thoughts on “狸菩薩(相模原市中央区・田名)

コメントは停止中です。