Indige Game Festival が面白そうなので覗いてみた。
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http://adventure.withgoogle.com/indie-games-festival/
せっかくなので後続のプレイヤーのために翻訳&プレイヤーガイドついでに UX 設計分析してみました。
はじめる前に
[Virtual Event Community Guideline] Community Privacy Terms 見た。あとでしっかり読む(資料的に面白そう)。
Google アカウントでログインすると、アバターがガチャっぽく現れる。
なんだかお願いしていないのにハカセっぽいぞ(お茶の水方面の) 以下、機械翻訳。
プレイヤーとして登録されました! テキストやボイスチャット、絵文字などを使って、プレイヤーや開発者と交流したり、グッズを手に入れたりすることができます。サプライズがあるかもしれません。 ここでは、ニックネームを設定します。この名前は、ゲーム内やチャットであなたのキャラクターの上に表示されます。ニックネームにはラテン文字のみ使用できます。
とりあえず Nickname を「DrHakase」にして進んでみる。
いきなりアバターメイキングがはじまった。左右に持つアイテムがエキスポぽい。髪はたくさんありそうでごく極端なのしかない…髪の毛ほしい…これは後々の課金要素なんだろうか、単なるチラ見せなのか、開発が間に合ってないのか…。なおボディは体型や足の形状だけでなく車椅子や義足まであって、なんだか優しい世界…。アバターメイキングから世界観がじわじわくる。なお服色は Google4 色のみ。 たしかに 3D で展示会作るにしても賑わいは大事だろうし、まずはこれぐらいのバリエーション設計は欲しいなと思う(日本の B2B 発想だとどうしても背広でユニフォーム化してしまいそうだけど)。
Pronouns(日本語では人称代名詞)って項目。自分は「なんとお呼びすればいいか」は He/Him としましたが、結構最近の国際会議とかでもこの手の自認を(するかしないかも含めて)聞いたりすること多くなりましたね。ちなみに gender みたいな聞き方もどっちかしかないのでよろしくないようです、まあ露骨に「sex」って聞いてくる国もたくさんありますけどね(日本とかフランスとか)。
さてフェスティバルへ
さてフェスティバルに入りました。メタバース着地直後の視界です。
「キャラクターにフォーカスして見て回って」
ここはヨーロッパゾーンらしくフランス・イギリス…ああ、これは TGS や SXSW のインディゲーム Expo だ!
右上の Google Play のところにはアチーブメントと連携しているらしい(スクショ取りそびれた) 車椅子の方が近づいてくる・・・チャットできたりするんだろうか どうやって操作するのかわからんけど、とりあえず WASD かカーソルキーで動ける。 車椅子の少年(持っているのはステアリング?)に体当たりするとメッセージが。初代 2D ゼルダやローグ風の操作。
[Adoring fan]憧れのファン 気に入ったゲームがあれば、ハートカウンターで愛を伝えることができます。 ちなみに adore ってのはフランス語系英語で「慕う」、Like 以上の熱量という理解。
ブースに行ってみる
まあエキスポなんでエントランスから近いブースに行きますわね。フランスの NaturalPad Games「Beat Workers」というゲームを紹介しているのかな?とりあえず「Game Information」「Developer pitch」に体当たり。
ゲームの紹介、これは Google Play の情報と同じフォーマットに見えるけど、評価とか削ってルックが違うだけでもずいぶんと丁寧な感じがする。1 画面に収まるデリバリーって大事だな。 開発者のピッチ、動画による見所説明。最初は英語だったけどだんだんフランス語訛りになってくるあたりがフェスティバル感あっていいね。日本ゾーンに行くとみんな日本語で喋ってます(Zoom で収録した感じ)。YouTube 埋め込みになっているのでサブスクライブの導線もあります。
[Adore] おしてみる → 実績解除。なお 💗 しまくることもできる。何度でもできるが、これを全ブース押しまくるのは根性ないとできないし、それやってると周りの人から丸見えなのもいい設計かもしれない。 [Dev]と書いてある席には開発者さんが座るのかな?(座れないようになってる)そして「マイクが置いてあるってことはボイスコミュニケーションできるのでは」というアフォーダンスを示す設計すてき。
Swag を手に入れろ
「他にも何かないかな…」と探してみる(ゲーマーなので)。[♫]に触れると…!
派手目な配色のエフェクト(とはいえプリミティブな円のアニメーション)と効果音とともに「Musician’s Note を手に入れた!」と表示されました。え?なんか楽譜とか楽曲とか手に入っちゃうの??「New swag unlocked」ってことで『Swag ってなんだよ(多義性)』が心をよぎるので検索しておきますね。 「swag」(スワッグ)は「やばい」や「めっちゃかっこいい」などの意味で使われています。 あの Justin Bieber もよく使うことから、若者を中心に世界中で最も使われているスラングの一つとされています。
まあ元々も意味は「服装とか振る舞い」のことで、この場合は手に持つアバターアイテムのことだと思われます。ああ…さっきの車椅子の少年がもっていたステアリングはこれか…。もしかして髪も手に入るの?とりあえずタペストリーを見かけたら突撃していきましょう。
Swag もどんどん手に入ります。
コーヒーとかシュノーケルとかコンパスとかヘリコプターハットとか…フレーバーテキストなのか他のアイテムへのヒントなのか。そうそう、ステアリングも手に入れました、シミュレーターホイールという名前。
芸が細かいアバター芸と Swag
ここまで(レポ書くので)ほっておいたらアバターが寝てました。まばたきもします。
プライベートチャット機能
ベンチに座ろうとすると「プライベートチャット機能に入ります」という表示が。これって「移動しない限り、チャット機能には入れない」ってことだし、他のユーザからみると「誰さんと誰さんが一緒にベンチに座って何か話してる」は見えているってことで、なかなかメタバース・ネイティブ感ある設計と思います。 なお、近くにアバターが通りかかったのでチャットに「Hi!」って打ってみましたが、スピーチバブルが表示されました。何か喋ってる感は可視化されている。Habitat を思い出すけど、文字は見えないの大事ね。 なお、各ブースに行くとローカルチャット機能もあるようです。何か書き残して行く感じですかね。
ブースを回って色々見る行動を促す報酬設計
このあと何すればいいのかは明示されていませんが、タペストリーにぶつかっていったり、プレゼントボックスにぶつかっていったり、NPC に会話したりという感じで進行します。まずは 10 ブースぐらいは観ていきましょう。NPC は未読の時は赤バッジついてますからまずは 20 人はガンガンぶつかっていきましょう。 Google Play の実績解除はなかなか有効に働いていると思います(1 行+ n/N で次何すればいいかを伝える)。少なくとも髪がなくてもバイキングのヘルメットでご機嫌な感じにはなりました。
プライズハンターによると、素早くアイテムを手に入れて行くと「真の報酬」がもらえるとか…。そういえばエキスポ会場にいる「ノベルティーだけを持って行くことを目的にしているノベルティーハンター」を思い出しました…。
機能紹介
右側の機能
ローカルチャット(ブース近辺にいる時に表示される)、コンフィグ、スケジュール、FAQ、アバター着替え、参加者バッジ(Lanyard)、マップ機能があります。 マップ機能から欧州、韓国、日本、ネットワーキングゾーンに行けます。違うサーバにも行けるみたい。このマップの下スクロール UI だけが残念。ただこの移動リンクを使わなくてもマップの左右端に行けばポータルがありますので地続きといえば地続きです。ポータル移動するときのエフェクトが王道でかっこいい。
下側の機能
セルフィー機能とエモート機能がありますね。なおエモートが連打できない(1 秒に 1 回ぐらい)にするところもなかなか UX 的に考えてありますね(そういう発明を書いたことがあるので特に気になった)。
セルフィーはダウンロードできます。直接シェアはしない?
その他の機能
アバターにすれ違う時にクリックすると Lanyard(バッジ)を見れます。なんでここだけマウスなのかわかりませんが。あとマウス長押しするとぷにコン的な十字 UI が出ます。スマホだとこれを使って移動します(快適だけど、スマホだとナナメ移動あった方が良い気もする)。
ここまで Google Play のアチーブメントを中心に歩き回っていますが、ゲームニクスにも NPC の会話にもいろんな工夫があるので見落としているのかもしれないです。
なおスマホでもログインしてみましたが、同アカウントで同時ログインすると排他のようです。しばらくするとセッションが切れてログアウトされます。
日本会場はめっちゃ盛り上がっている
日本ゾーンの中央、 Indie Games Festival (IGF2021) Japan Stage です。賑わい感ありますね〜。YouTubeLive と連動しているみたいです。IGF の審査講評会などがはじまりました。エモートとコメントの並列、それから人の動きもあって YouTube コメントとはちょっとちがう味わいあり。ライブイベント自体はピッチの時間制限などがあっておもしろそう。 なお会場(日本ゾーン)を移動している間はライブストリーミングの音は聞こえるので大会場のエキスポを歩いている感じはあるね。立体音響とかではないけど歩き回りながら全体アナウンスを視界に入れつつ聞き流せるのは大事な UX ですね。
日本ステージが上、下にはファイナリストの展示会場がある。このあと展示されるのかな?
IGF2021 Japan 番組も面白いです
番組も面白いです。Unity のやなせさんが審査員だったり、インディーゲーム作った大学院生が「雇ってください!」とか「うちへ!」みたいなやりとり。
IGF2021 Japan Live Stream https://youtu.be/MwvzjfXZmho
ライブ投票機能もあるようです(すぐ消えてしまったので参加できなかった)。
なおこの会場は「Adventure」というプラットフォーム名だそうです。そういえばオリンピックの時にも似たようなゲームシステムがあったけどあれとは違うプロダクトラインなのかな?
いったんおわり
自分、メタバースの UX 設計で頭いっぱいの日々なのでつい土曜日なのに分析しつつレポートしてしまいました。 ここまで読んでいただいて「おもしろかったよ!」とか「こんな機能あるよ!」とかお気づきの方がいらっしゃいましたらこちらの Twitter あてにコメントなりでご感想いただければ幸いです!
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というかこれ期間限定公開なんだろうか??
p.s. 韓国会場も 10 倍ぐらい盛り上がっている様子・・・!
いったんおわり
このドキュメントは閲覧コメント可能にしておきますので、お気づきの方がいらっしゃいましたらコメントなりでご感想いただければ幸いです!
というかこれ完全に業務外で書いていて、特に機密もないので個人ブログのネタにしておきました。 Google Adventure 自体は…期間限定公開なんだろうか??
補足・Gather.town もよさそう
今週、ICAT-EGVE2021 というドイツ(オンライン)で開催される国際会議で基調講演するのですが、会場が gather.town という 2D ドット絵メタバースになってました。
ICAT-EGVE2021 基調講演会場はこちらでした
見た目や UX は Google Adventure とそっくりで、デバイス選択もできて、OBS Virtual Cam も使える感じです。 YouTube 埋め込みから YouTube への導線を潰していたりして、なかなかすごい。 既存 Zoom の互換性やハイブリッド顔出し需要には gather も優位性あり、Google Play の実績を使ったチュートリアルがきっちり作れるなら Adventure も使い所多そう(そもそも一般に SDK 公開しているのかわかりませんが)。