飯ログ:豆カレーピラフ/ベジタリアンカレー

飯ログ:豆カレーピラフ

実は今日は朝からいろいろあって早起きさんだったのだが、結局小旅行にはいけなかった。 大雪が降ったのである。 朝6時ぐらいから降り始め、一日中。 総積雪量では、だいたい5cm強ぐらいだけど。 日本の大雪被害に比べればかわいい雪。しかしLavalに3年近くすんでいるValerieは「こんな大雪はLavalでみたことがない」といっているのでそれなりにすごい雪なんだろう。

まあそういうわけで、朝の時点で電車に乗って知らない街、しかも先史時代の遺跡など見に行かなくてよかったのかもしれない。真っ白でなんだかわからないだろうし、道がすでに無いのでプチ遭難していたかもしれない。

というわけで予定を変更して買い物と料理に土曜日を費やすことにした。

カレー料理だけで3品つくったのだが、とりあえず最も簡単な「豆カレーピラフ」から。

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【準備】 ・タイ米 100g、無ければ冷ご飯でもいいと思う ・グリーンピース 100g 量はお好みで ・カレーソース 残りのカレーでよい、なければ市販のルゥをお湯でといて作ろう ・水200g カレーソースの濃度にもよる ・ほかに具があってもよい

【作り方】 米は洗ってなければすばやく洗ってフライパンへ。 軽く炒りながら米の上に材料を平たく敷く。 カレーソースを水で延ばして、材料が十分浸る程度に水を足し、中火で待つ。ふたは不要。

裏におこげができるぐらいまでひたすら待つ。混ぜない。

【食べ方】 熱いうちに取り分けていただく。 写真のように、生卵などをもってもよいとおもう。 デザートはヨーグルトで。

ちなみに「ピラフ(pilaf)」はフランス語のパエリア(paella)のこと。チャーハンは炊いた冷ご飯を炒めるのに対し、ピラフとパエリアは、炊く前のお米を使うことに注意。 上記のレシピでも冷ご飯を使うことが可能ですが、その場合はなんて呼んだらいいでしょうね。油は使わないのでチャオ(炒)しませんし…。

飯ログ:ベジタリアンカレー

ちなみに事前に断っておきたいのですが、今回は失敗の部類に入れたいと思います。なのでルセット(レシピ)などは今後修正する可能性があります。

【あらすじ】 日曜日、旅行に行こうと思っていたのだが、あいにくの大雪で友人Valerieの家に御呼ばれすることになった。手ぶらで行くのもなんなので、何か料理を作ろうと思い立ち、普通のフランス人がめったに食べない「カレーライス」を作ろうと決めた。 ただし上手にできなかった場合は、企画ごと秘密に。 さらに、Valerieの旦那はベジタリアンであり、肉や肉由来のソースが入ったものは使えない。さらに子供もいるので、辛さに任せたテイストも不可。…というわけで不測の事態に備え、同じカレーの準備から途中で2つのカレーに分岐することに。 なお、重大な制約として「市販のカレールゥを使わない」という点が挙げられる。何故って…売ってないし、肉のスープが入っているから。

【目標・うんちく】 「欧風・ベジタリアンカレー」 辛いものを食べなれないフランス人でも「Bon!」な欧風カレーにチャレンジ。さらに肉を使わないベジタリアン対応食。バターは使いますのでベガン(完全菜食主義)対応ではないです。 ちなみに日本の「欧風カレー」はインドからイギリスを経由して海軍から伝わったものであるらしい。「欧風」のゆえんはルゥ(roux,これはフランス語)を使うところ。日本語の「カレールゥ」はカレー粉と「何か」が混ざったものであるが、本来ルゥは小麦粉とバターを等量炒めたものであり、スープのとろみと味のまろやかさ、バターによるふくよかさに貢献すると思われる。小学校の家庭科では市販のルゥをつかわず、この工程で調理実習を行っているはずである。いまの生活科はではどうかしらん。

【準備】3人前 たまねぎ 小3個 にんじん 2本 じゃがいも 小3個 グリーンピース 200g(お好みで) 水 600ml

粉末にんにく(ail) ローズマリー(romarin) ローリエ(laurier) ビターチョコレート 10g 生クリーム15% 大さじ1

カレー粉 30g  マサラ、今回ブレンドは何でもいいです。 小麦粉 100g 減塩バター 100g

【調理】 1.野菜を切る 2.たまねぎを炒める 3.豆以外の野菜とカレー粉の1/3を加えて水を加えて煮始める 4.煮立つ間にルゥ(roux)をつくる。 roux.jpg  小麦粉とバターを等量はかり、フライパンで小麦粉を炒っていく。  焦がし具合によって、ブラウンルゥ(roux brun)になってしまうので、火加減に気をつけながらがんばってroux blond、つまりブロンドのルゥを目指してほしい。ちなみにベシャメルソースなどはroux blank、つまり白。  なお今回は見事に失敗した。ダマに気をとられすぎて、クッキーチップのようなものをたくさん作ってしまった。  最弱火で、うまくバターを制御するべきだろう。あわてなくても最終段階ではバターは扱えるようになる。最初が肝心。また少しでも焦げたら、味がくどくなるので混ぜずに除けたほうがいいかも。  また本来「小麦粉とバターは等量」とあるが、脂っこいのが嫌いなら、少なめでもいいかも。  最後の脂が少なくなってきたあたりでカレー粉の1/3を混ぜる。ルゥは後で使うので、フライパンが1つしかなかったらボウルにでもあけておこう。

5.煮立ったらアク、スパイス、油などの浮遊物を回収する。 6.残りのカレー粉と豆を投入、10分ほど煮込む。 7.火を止めてルゥを投入、すばやくかき混ぜる  このとき、半分ぐらいで様子を見ながらかき混ぜるとお好みの硬さになります。 8.ビターチョコレート、生クリームを入れて混ぜる  チョコレートはコクが出る、生クリームはまろやかで芳醇な酸味が加わる。なおこの生クリームはフランス国内で手に入るものなので、ない場合は砂糖ぬきのヨーグルトで代用可能と思われます。

【食べ方】 すぐに食べてもいいですし、一晩冷まして食べる前に温めてもよいでしょう。 お米はローリエやサフラン、バターなどを入れ(これも少量、風味付け)、固めに炊くとよいと思います。 完全に肉を使っていませんので、ビーフカレー特有の臭みがありません。グリーンピースの食感+甘みとクリームの酸味がたよりなので、缶詰ではなく、ちょっといい物を使ったほうがいいかも。

【考察】 今回ルゥで見事に失敗してしまったので、自分的には70%の出来でした。 次回はもっと上手に完成させたいと思います。 その後、いろいろ調べてみましたが、やはりルゥからカレーを作る情報があまり見当たりませんでした。日本の食品会社恐るべし。NHK「ためしてガッテン」のサイトに面白い情報が載っているので、試す方はこっちをご参考。 http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/1997q1/19970219.html ふつうにやったら絶対、クッキーが出来上がるように思うんですが…さすがシェフ、なんでしょうか。ラードを使ってるから?てゆかラードは肉脂なので今回は使用不可…。あとルゥは沸騰直後に入れるのか…鍋が焦げ付いたら嫁さんに怒られそうなのでできない相談だなあ…。

なお、パリの日本食料品店ではバーモントカレーとかを日本の数倍の値段で売っているので、この技術が習得できると結構気軽にカレーが作れることになります。次回もがんばろう。

飯ログ:イエローカレー

…というわけで、自信のない順にカレー料理を紹介しているわけですが、今回の「イエローカレー」はお勧めできます。 一部、材料の入手に難があるかもしれませんが…。

【あらすじ】 日曜日、旅行に行こうと思っていたのだが、あいにくの大雪で友人Valerieの家に御呼ばれすることになった。(中略)ベジタリアンの旦那には「欧風ベジタリアンカレー」を失敗しながらも作ったのだが…。

【目標・うんちく】 「イエローカレー」 私が始めて本格的な「イエローカレー」に出会ったのは厚木ビブレにあったあるアジア料理レストランである。工芸大時代、95年ぐらいに活動していたネットワークプロジェクトの仲間、特に草原研の人々とよく利用した。 店の名前は「東洋元氣食堂」だったと思う。この店はタンドールとかカレーがインド系シェフによる本格的なものなのにもかかわらず、一定料金で「食べ放題」だったので、学生のわりにかなりのアジア料理を学んだ。しかしある日突然、この店は経営方針が変わり、その後あっというまに潰れてしまった。 当時、友人だったマレーシアからの留学生が作ってくれたイエローカレーもうまかった。その後も渋谷やお台場のカレー食べ放題店などに行くとつい、イエローカレーばかり食べてしまうようになる。 さらに無印良品の「イエローカレー」に出会い『俺にはもうこれしかない』、と安住の地を得たかと思ったが、その後、フランスに引っ越してしまったので、二度とイエローカレーが食卓に上ることは無くなった。

基本的にはインド・パキスタン系のさらっとカレー。鶏肉が崩れるまで煮込んであり、ココナッツが効いている。甘くて辛い、またその色合いのため、素人には作れないような気がしてくるが、実はそうでもない、ということをこれから証明。

いや、むしろ簡単かも。材料さえ手に入れば。

【準備】3人前 骨付き鶏肉 600g(簡単に言うと両モモ) たまねぎ 小3個 にんじん 2本 じゃがいも 小3個 水 600ml

粉末にんにく(ail) ローズマリー(romarin) ローリエ(laurier) 生クリーム15% 大さじ3 カレー粉 30g  マサラ。今回もブレンドは何でもいいです。黄色いからってターメリックが多目というわけでもない。今回は市販のブレンド済みカレー粉を使用。 ココナッツヨーグルト 160g  これが今回の主役ともいえます。なければココナッツミルクや粉末ココナッツ+ヨーグルトでいいでしょう。フランスにいる人はダノンのこれ、が超便利です。

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【調理】 1.鶏肉に下味をつける  軽く洗って塩少々、ハーブとカレー粉を少々振っておく。 2.野菜を切る 3.たまねぎを炒める 4.野菜とカレー粉の1/3を加えて水を加えて煮始める 5.熱したフライパンにオリーブオイルを引いて鶏肉を焼く、  片面(かわのほう)を下にして、ローズマリーとにんにく、カレー粉を少々かけて5分、中火でふたをして焼く。ちょっと焦げたか?というぐらいまで我慢。  裏返して弱火で5分、またふたをして焼く。

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6.鍋に鶏を投入。  皮のほうを上にして、残りのカレー粉を投入。弱火でふたをして10分煮込む。  いったん火を止めてアク、コゲやスパイス、油などの浮遊物を回収する。  そのまま余熱で10分、温度が落ちて味が落ち着くまでまつ。 7.生クリーム大さじ3を投入。さらにココナッツ入りヨーグルトを160g投入。軽く混ぜる(鶏を崩さないように…)。 8.食べる直前に温める。

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【食べ方】 前回と同様、お米はローリエやサフラン、バターなどを入れ(これも少量、風味付け)、固めに炊くとよいと思います。サラサラカレーなので、タイ米やバスマティ米が合うでしょう。

【考察】 今回の出来は(欧風ベジタブルカレーと比べて)かなりよいものでした。 コツはココナッツヨーグルトを思い切って入れることですね。一瞬「ええっ?」というぐらい白くなりますが、いわゆるイエローカレーの色はここからきているようです(インドでイエローカレーなんて呼んでないと思いますが…)。酸味とココナッツの甘み、乳脂肪由来のコクがたまりません。 鶏の扱いについてはいろいろな方法があると思います。焼かずに、ココナッツとヨーグルトの酵素をつかって料理する方法もあると思いますが、私は肉の内側に旨みが残る料理法が好き(グズグズのボロボロになって出汁をとられた鶏がかわいそう)なので、とにかく最初に強めに焼いて香ばしさで封じ込めるという方針を採りました。

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ちなみにフランス人の反応はよかったです。子供も、好き嫌いが多い割にはちゃんと食べてくれました。 辛さは上記のレシピだと日本人には甘口になると思いますが、子供もOKということで、適当にアレンジして、ぜひ試してみてください! ココナッツの代わりに大量のバナナなどを使うというテクニックもあるようです。

なお、デザートも、やはりヨーグルトがよいのではないかと思います。ラッシーですねインド料理風に言うと。

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