イントロダクション HDR Shopとは? HDR Shopは、High-Dynamic
Range images(以下、HDRI)の確認や操作をするために設計された、インタラクティヴなGUI画像処理システムです。 HDRIとは? シーンにおける「ダイナミック・レンジ」とは、最も明るい部分と暗い部分との、コントラスト比率のことです。曇りの日に屋外で均一に照らされたマッシュポテトの図は、ロー・ダイナミック・レンジ(Low-dynamic range、以下LDR)といえます。また、ステンドグラスの窓から送られた光に輝く、華麗な大聖堂の内部は、HDRといえます。実際、シーンを問わず、直接的に見られる光源は、HDRであるといえます。 HDRIは、標準的なディスプレイ装置での表示や、通常のカメラの単回露光で撮影可能なダイナミック・レンジよりも、大きなダイナミック・レンジをもつイメージです。 殆どの一般的なイメージでは、ピクセル値がノンリニアでエンコードされるのに対し、HDRIにおけるピクセル値は、シーンの光の量に比例するという重要な特性をも持っています。 HDRIは通常、異なる強さのレベルでとられた同一の複数のイメージ(訳注:以下の図を参照)を組み合わせるか、グローバル・イルミネーション・レンダリングの作成結果として生成されます。実際、HDRピクセルは光の量を1から100万で表すことが可能な浮動小数点式の数を用います。LDRIは通常0から255の整数で表されるピクセル値によって、チャンネル毎に8ビットで表現されます。
以下は、HDRIと通常の8ビット・イメージの比較表です。なぜHDRの方が良いのか、おわかりいただけるでしょう。
HDR ShopとHDRIはどのように連携するか? ピクセルが画面上で「色」を保存するのに対し、HDR Shopはそこで表される光の量(赤、緑、青)を格納します。 現実世界において、我々が認識できる光の量に制限が無いことから、HDR Shopはそれらのピクセル値を浮動小数点式の数として保管します。つまり、ピクセルを8ビット・イメージのような数(0, 1,
2, 3, 4,,,, 253, 254, 255)で保存するのではなく、0.01534, 0.9429, 1.0500, and
1,356,035.0253のような数を用いるのです。 HDR Shopは、HDRの放射輝度や16ビットまたは浮動小数点TIFF、Portable
Float Maps (PFM)、ロー・バイナリーファイルなどのHDRフォーマットを読み書きすることができます。さらに、HDR ShopはJPEG、Windows
BMPやTIFFなどの従来の8ビット・イメージフォーマットのインポート(訳注:インポートに関しては、以下にあるように、特別な機能を有しているわけではない)/エキスポートが可能です。HDR
Shopに8ビット・イメージをロードしても特別なダイナミック・レンジを得ることができるわけではありませんが、「標準的な」画像編集ソフトには無い、より高い精度と「物理的に正確な」イメージ操作を行えるという利点を生かすことができるでしょう。 |